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牛骨から作る本格フォー・ボー|6種のスパイスとヌクマムで仕上げる

牛骨と牛肩バラをじっくり煮出す4人分のフォー・ボー。6種のホールスパイス、焼き玉ねぎとしょうが、仕上げのヌクマムで組み立てます。骨の下処理、火加減、麺の別ゆで、保存まで。

HereNature.com2026年10月31日体験と調査を分けて記載

盛り付けイメージ(AI生成)

牛骨と牛肉を静かに煮出し、焼いた玉ねぎとしょうが、6種のホールスパイスを重ねるフォーです。顆粒だしや市販のスープの素は使いません。仕上げにヌクマムを加え、米の平麺と、やわらかく煮た牛肉を合わせます。

大鍋で作りやすい4人分。煮込みは約6時間を見込みます。本稿はベトナム料理家の資料を参照し、家庭向けに分量と手順を組み直したレシピです。時間と仕上がり量は目安です。

まず押さえたい3つのこと

  • 牛骨は下ゆでして洗い、下ゆでの湯は使わない。
  • 本煮込みは、表面に小さな泡が上がる程度。強く沸かし続けない。
  • スパイスは後半に入れ、ヌクマムはスープの量を整えてから加える。

下ゆでした骨で澄んだスープを作る方法は、Helen Leのフォー・ボーでも紹介されています。ここでは、煮込んで十分に火を通した牛肉をのせる「フォー・チン」を基本にします。赤い牛肉をのせなければ本格的でない、というわけではありません。Sophie Phamによる牛肉フォーの種類

材料(4人分)

牛骨スープ

  • 食用の牛骨:1.5kg。骨髄のある脚骨と、関節まわりの骨を組み合わせる
  • 牛肩バラの塊肉:600g。ブリスケットなど、煮込み用のもの
  • 水:3.5Lから。下ゆで用の水と、途中で足す熱湯は別
  • 玉ねぎ:1個(約250g)
  • しょうが:50g
  • 塩:5g。仕上げの調整用に別途少量
  • 氷砂糖:10g。なければ同じ重量の砂糖
  • ヌクマム:大さじ2から。仕上げの合計は大さじ2〜3程度を目安に調整

ホールスパイス6種

  • 八角:3個
  • カシア(シナモンの樹皮):約4g
  • クローブ:4粒
  • コリアンダーシード:小さじ2
  • フェンネルシード:小さじ1
  • 草果(そうか/thảo quả):小さめ1個、約2g

カシアは太さで重さが変わるため、長さより重量で量ります。草果は中国のブラックカルダモンで、緑色のカルダモンとは別のスパイスです。大粒の場合は軽く割って約2gを使います。入手できなければ省けますが、香りは変わります。八角・カシア・クローブを軸に、草果、コリアンダー、フェンネルを重ねる構成です。Andrea Nguyenのフォー用スパイス解説

麺と仕上げ

  • 乾燥フォー(米の平麺):320〜400g
  • 玉ねぎ:1/4個。ごく薄切りにする
  • 小ねぎ:3〜4本
  • パクチー:適量
  • ライム:1個
  • 黒こしょう:少々
  • 好みで、加熱したもやし、タイバジル、薄切りの生唐辛子

ヌクマムは「ニュクマム」「ニョクマム」とも表記されます。手元にナンプラーがあれば代用できますが、塩味と香りは同じではありません。どちらも少量ずつ味を見て使います。魚介類を含む調味料なので、アレルギーがある場合は原材料を確認してください。

道具と時間の目安

8L程度の深鍋、麺をゆでる別鍋、トング、細かいざる、食品用のさらしやこし布、煮出し用のスパイス袋、食品用の中心温度計を用意します。骨は精肉店などで鍋に入る大きさに切ってもらい、家庭の包丁で割ろうとしないでください。

下ごしらえ約45分、煮込み約6時間、仕上げ約20分。並行して進める作業があるため、合計は約7時間が目安です。肉の厚み、骨の大きさ、鍋と火力で変わります。火を使っている間は外出・就寝せず、煮詰まりを確認します。

作り方

1.牛骨を下ゆでして、骨と鍋を洗う

牛骨を鍋に入れ、かぶる量の水を注ぎます。沸騰してから5〜10分ほどゆで、灰色の泡が十分に出たら火を止めます。

やけどに注意して骨をトングで取り出し、下ゆでの湯は捨てます。扱える温度になった骨を流水で洗い、表面の汚れや骨の切りくずを落とします。鍋の内側も洗ってから骨を戻してください。このレシピでは骨はオーブンで焼かず、下ゆでしたものを使います。

2.新しい水で煮始め、静かな煮立ちを保つ

骨に水3.5Lと塩5gを加えます。水は骨がしっかり浸る量が基準です。足りなければ少し足し、鍋には吹きこぼれない余裕を残します。

沸騰する直前から泡をすくい、沸いたら弱火へ。表面に小さな泡がゆっくり上がる状態を保ち、ここから約6時間煮ます。ふたはせず、ときどき泡と余分な脂をすくいます。強くかき混ぜる必要はありません。

水が減って骨が大きく露出し始めたら、熱湯を足します。最後にこしたスープを約2.4Lに整えるので、途中の水量だけで濃さを決めません。

3.終了3時間前を目安に牛肉を加える

牛肩バラは別鍋の沸騰した湯で2〜3分下ゆでし、表面の泡を洗い流して、骨の鍋へ加えます。再び泡が出たらすくい、弱火を保ちます。

肉は2〜3時間を目安に、串が無理なく入り、切り分けられるやわらかさになるまで煮ます。厚みや部位によって時間は延びます。時間だけで決めず、中心まで十分に火が通っていることを確認してください。肉が先に仕上がったら取り出し、最後まで骨と一緒に煮続けないようにします。

取り出した肉をすぐ使わない場合は、少量のスープとともに浅い清潔な容器へ移し、容器の外側を氷水に当てるなどして速やかに冷まし、冷蔵します。仕上げで薄切りにして再加熱します。

4.終了1時間半前に、焼いた香味野菜とスパイスを入れる

玉ねぎは半分に、しょうがは縦半分に切ります。魚焼きグリルやオーブンのグリル機能で、向きを変えながら表面に焼き色をつけます。10〜20分ほどが目安ですが、機器に合わせて焦がしすぎないよう見てください。黒く炭化した皮や部分は取り除きます。

スパイスは草果に軽く割れ目を入れ、フライパンで弱めの中火にかけます。1〜2分ほど、香りが立つまで乾煎りし、黒く焦げる前に取り出します。煮出し用の袋に余裕を持たせて入れ、焼いた玉ねぎ・しょうがと一緒に鍋へ加えます。

1時間ほどたったらスプーンに少量を取り、冷まして香りを確認します。十分に香ったら袋を取り出し、弱ければ30分ほど延長します。香りを強くしたくても、スパイスを6時間ずっと煮続ける方法にはしません。香味野菜も崩れる前に取り出します。長時間煮る骨と、後半に加える香味野菜・スパイスを分ける考え方は、Sophie Phamの煮込み工程を参考にしています。

5.こして2.4Lに整え、最後にヌクマムを加える

煮込みを終えたら肉と骨を取り出します。細かいざるに食品用のこし布を敷き、スープをこします。重い鍋を一度に傾けず、お玉で少しずつ移すと扱いやすくなります。残った材料を押しつぶして絞らないでください。

こした液体を量り、約2.4Lに整えます。多ければ煮詰め、少なければ熱湯を足します。表面の脂は好みで取り除きますが、全部取り切る必要はありません。

氷砂糖10gを溶かし、ヌクマム大さじ2を加えます。味を見て、魚醤の香りも足したければ小さじ1ずつ追加。香りは足りていて塩味だけ弱ければ、塩をひとつまみずつ加えます。魚醤は製品によって塩味が違うので、大さじ3を必ず入れるわけではありません。

ヌクマムを食べる直前に加える考え方は、Andrea Nguyenの牛肉フォーの解説と著者補足を参考にしています。

6.麺を別鍋でゆで、牛肉を温め直す

肉は繊維を断つ向きに薄く切ります。スープで中心までしっかり温め直してください。再加熱の目安は中心75℃で1分以上です。生肉を切ったまな板や包丁は、洗剤でよく洗い、器具に適した方法で消毒してから加熱済みの肉や薬味に使います。厚生労働省:家庭でできる食中毒予防の6つのポイント

フォーは別鍋の湯で、袋に書かれた戻し方・ゆで方に従って調理し、よく湯を切ります。太さや商品によって工程が違うため、戻し時間やゆで時間は一律にしません。麺をスープ鍋に入れたまま煮続けないのがポイントです。

薄切りの玉ねぎは辛味が気になるなら5〜10分水にさらし、よく水を切ります。小ねぎとパクチーは刻み、ライムはくし形に切ります。

7.温めた器に盛り、まずはスープから

器を湯で温めてから湯を捨て、麺、十分に加熱した牛肉、玉ねぎ、小ねぎ、パクチーを盛ります。熱いスープを1人分約500〜600mL注ぎ、黒こしょうを振ります。

まずは何も足さずに一口。そのあとライム、唐辛子、好みの香草を少しずつ加えます。もやしを添える場合は別に加熱しておきます。

北部と南部では薬味や添え物にも違いがあります。ねぎや香菜を中心に食べても、タイバジルやもやしを別皿で添えても構いません。このレシピは、どちらか一地域の味を完全に再現したものではありません。地域ごとの添え物の例

味が決まらないときは

薄いと感じたら、最初に量を確認。 スープが2.4Lよりかなり多ければ、まず煮詰めます。量が合っているなら、塩味を少しずつ調整。いきなり八角やクローブを増やさないでください。

塩辛ければ、湯で少しずつ薄める。 ライムや砂糖を加えても塩分は減りません。

スパイスが強すぎたら、袋を取り出す。 次回は草果やクローブを控えるか、煮出し時間を短くします。「しっかり香る」と「たくさん入れる」は分けて考えましょう。

スープが濁ったら、火加減を見直す。 骨の下処理後は静かに煮て、野菜や骨をかき回しすぎず、麺は別ゆでにします。濁りを取ろうとして、さらに強く沸騰させないようにします。

牛肉の薄切りも加えたい場合

煮込み肉に加えて、牛ももやロースの薄切りを200gほど用意しても構いません。ただし、家庭では生の牛肉に熱いスープをかけるだけで安全に火が通るとは限りません。

薄切り肉は少量ずつ鍋のスープに入れ、重なりをほどきながら、中心まで十分に加熱してから盛りつけます。色の変化だけに頼らず、加熱の目安は中心75℃で1分以上。生肉用の箸と、盛りつけ用の箸は分けます。

作り置きするなら、鍋のまま一晩置かない

できるだけその日のうちに食べ切ります。保存する分は、麺や生の薬味を入れる前に取り分け、スープと肉を浅い容器へ小分けにします。氷水に当てるなどして速やかに冷まし、冷蔵または冷凍してください。

大鍋を常温に置いたまま、自然に冷めるまで長時間待つ方法は避けます。再加熱では鍋底から混ぜ、スープ全体が沸騰するまで温め、肉も中心75℃で1分以上加熱します。長く煮込んだスープでも、保存中の食中毒対策は必要です。農林水産省:煮込み料理とウェルシュ菌の注意

手元のヌクマムを、まず一杯に使ってみる

HereNatureでは、フンタンのニュクマム35N・200mLの用途と選び方も紹介しています。記事上の商品名は「ニュクマム」ですが、ヌクマムと同じ魚醤の呼び名です。DFEの商品説明

このフォーのために4本セットを買う必要はありません。手元の魚醤を使い、塩味を見ながら仕上げてください。

参照したレシピについて

骨と肉の煮出し方はAndrea Nguyen、Helen Le、Sophie Phamのレシピを、ホールスパイスの特徴はAndrea Nguyenの解説を参照しています。本稿の4人分の配合・工程は、それらをもとに再構成したもので、各著者による監修・試食を受けたものではありません。

参考にした情報

  1. 牛骨を下ゆでして湯を捨て、骨と鍋を洗う工程を参照。

  2. 煮た牛肉を使うフォー、骨の長時間煮込み、後半に加える香味野菜・スパイス、地域による薬味の違いを参照。

  3. ホールスパイスの特徴、草果と緑のカルダモンの違い、草果とカシアの重量を参照。

  4. 骨と牛肉のスープ、および魚醤を提供直前近くに加える著者の補足を参照。

  5. 中心75℃で1分以上の加熱、器具の扱い、小分け保存、スープの再加熱を参照。

  6. 煮込み料理を常温放置せず、浅い容器に小分けして速やかに冷却・冷蔵または冷凍し、鍋底から混ぜて再加熱する注意を参照。

  7. 関連する魚醤の商品同定と、ヌクマム・ニュクマム等の表記を参照。

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