Oasisで「青春」を一曲にするなら、自分は「Slide Away」を選びたい。 強いことを歌っているのに、足元は少し危うい。未来の保証はないのに、誰かとなら前へ行ける気がしてしまう。その無根拠な勢いと不安が、若い頃の恋に似ているからだ。
これは「強い男」の歌というより、弱さを抱えたまま相手のほうへ行こうとする歌だと自分には聞こえる。だから「Slide Away」は、Oasisの青春男気ソングだ。
Oasis「Slide Away」はどんな曲?
「Slide Away」は、Oasisのデビュー・アルバム『Definitely Maybe』に収録された曲です。アルバムは1994年8月29日に発売され、公式の曲目では10曲目に置かれています。
2024年8月30日発売の30周年デラックス盤では、リマスターされた本編に加え、制作初期の録音やアウトテイクを収録。2枚目には「Slide Away (Sawmills Outtake)」も入っています。完成した曲だけでなく、デビュー作が形になる途中の音をたどれる版です。
歌詞を日本語で読むと、何を歌っているのか
この曲の歌詞は、恋愛をきれいに整理した話ではない。相手と一緒にいたい気持ちがまずあり、その先に何があるかははっきりしない。それでも二人なら何かになれるかもしれない、と手を伸ばしている。
自信だけの歌でもない。離れたくないという切実さがあり、相手がいないと不安になる気配もある。だから大げさな宣言に聞こえながら、どこかに頼りなさも残る。その強がりと心細さが同じ場所にあることが、「Slide Away」の魅力だと思う。
なぜ「青春男気ソング」なのか
ここで言う男気は、マッチョな強さのことではない。不安が消えていないのに、それでも相手と前へ行こうとすることだ。
大人になってからの恋は、生活や相性や失敗の可能性まで計算する。もちろんそれも誠実さだ。でも「Slide Away」にあるのは、計算より先に「お前となら行ける気がする」と思ってしまう瞬間だ。
未来が見えているから進むのではなく、見えないまま誰かと進もうとする。その無根拠な強さが青春なのだ。 その勢いは無鉄砲に見える。けれど、自分の不安を隠し切れないからこそ、ただの威勢のいい歌にはならない。
若い頃だから出せる無根拠な強さ
若さは、正しい答えを持っている状態ではない。先のことが分からないのに、なぜか行けると思ってしまう状態だ。恋愛でも、仕事でも、友達との約束でも、根拠より熱量が先に来ることがある。
「Slide Away」は、その熱量を笑わない。危なっかしさを含んだまま、相手へ向かう気持ちを大きく鳴らす。ここが、もっと整ったラブソングとは違う。
自分には、若い頃の「なんとかなる」ではなく、なんとかならないかもしれないのに、行くしかないと思う感じが聴こえる。そこに、恋の勢いとOasis初期のギターの大きさが重なっている。
Oasis初期の音として聴く
『Definitely Maybe』はOasisのデビュー作で、公式情報によればMonnow ValleyとSawmillsで録音されました。30周年デラックス盤には、その制作過程の別録音とアウトテイクが収録されています。
「Slide Away」をこのアルバムの中で聴くと、甘いラブソングとしてだけでは終わらない。まだ何者でもないバンドが、音を大きく鳴らしながら、自分たちの居場所を取りに行こうとしているデビュー盤の空気がある。
もちろん、曲の主人公とバンドの事情を同じものだと断定することはできない。それでも、恋の歌にデビュー直後のバンドの切迫感が重なるように聞こえるのが、この曲の面白さだ。
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文章で意味を整理してから、もう一度曲に戻ると、ギターの広がり方や声の置き方が違って聞こえるかもしれません。Amazon Music Unlimitedの無料体験対象者は、Amazon Music Unlimitedで「Slide Away」を聴くことができます。
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『Definitely Maybe』を作品として持つなら
30周年デラックス盤には、本編の「Slide Away」に加えて「Slide Away (Sawmills Outtake)」が収録されています。曲を気に入ってから、完成版とは別の手触りも聴いてみたい人には自然な選択肢です。
CDかLPか、通常盤か30周年盤かで内容と価格は変わります。購入するなら、収録内容と販売元を確認してから選びたい。
HereNatureの結論
若い頃は、未来が見えているから走れるんじゃない。 見えていないのに、誰かとなら行ける気がする。 「Slide Away」は、その無根拠な強さと弱さを両方抱えた曲だ。




